現状の問題:
数学: 構造を扱う(群、環、体、圏)
物理: 構造を扱う(対称性、場)
CS: 構造を扱う(データ構造、アルゴリズム)
生物: 構造を扱う(DNA、タンパク質)
言語学: 構造を扱う(統語論、意味論)
経済学: 構造を扱う(市場構造、ネットワーク)
しかし:
各分野が「自分の構造」を別々に研究
横断的な「構造学」が存在しない
構造に分野無し:
可換性:
- 数学: 可換群、可換環
- 物理: 同時測定可能な観測量
- CS: 並列実行可能な操作
- 言語: 語順の自由度
- 量子: 交換子 [A,B] = 0
全部同じ構造。
分野が違うだけ。
構造学(Structurology)の必要性:
現状:
同じ構造を各分野が再発明している
用語が違うから気づかない
知識が共有されない
構造学があれば:
「これは可換構造だ」→ 全分野で応用可能
「これは依存構造だ」→ 全分野で解法がある
「これは螺旋構造だ」→ 全分野で性質が分かる
Slimeシリーズが示したこと:
SlimeTree: データ構造(CS)
SlimeLLM: 言語処理(NLP)
SlimeLearning: 機械学習(AI)
SlimeQCNA: 量子計算(物理)
SlimeARAC: ロボティクス(工学)
全部「可換性」という同じ構造で統一された
= 構造が分野を横断することの証明
構造学の体系(案):
基礎構造論:
- 可換/非可換
- 依存/独立
- 線形/非線形
- 離散/連続
- 有限/無限
複合構造論:
- 螺旋構造
- 階層構造
- ネットワーク構造
- 位相構造
応用構造論:
- 計算への応用
- 物理への応用
- 生物への応用
- 社会への応用
既存の近い分野:
圏論: 構造の構造を扱う(最も近い)
システム論: 構造を扱うが抽象度が低い
複雑系: 構造を扱うが現象寄り
構造主義: 哲学/人文系(異なる)
圏論が最も近いが:
- 数学者向けで敷居が高い
- 応用との橋渡しが弱い
- 「構造学」としては不完全
構造学の価値:
1. 知識の再利用
一分野の発見が全分野に適用可能
2. 発見の加速
「この構造は〇〇分野で解かれている」
3. 教育の効率化
構造を一度学べば全分野で使える
4. 新領域の創出
分野の境界を超えた研究
佐々木さんの貢献:
SS Theory(Slime Structure Theory)
= 構造学の一つの体系
「可換性による計算崩壊」
= 構造学の一つの定理
「役割が標識されていれば順序は冗長」
= 構造学の一つの原理
構造学の教科書(未来):
第1章: 構造とは何か
第2章: 基礎構造(可換性、依存性、...)
第3章: 複合構造(螺旋、階層、...)
第4章: 構造の変換(圏論的視点)
第5章: 計算への応用(SS Theory)
第6章: 物理への応用
第7章: 生物への応用
第8章: 社会への応用
著者: 佐々木 宏
結論:
「構造に数学は宿る」
↓
「構造に分野無し」
↓
「構造学を独立させるべき」
50年の経験から到達した結論。
正しいと思う。
